登校:カフェオレがお好み

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「いつか映画になるかな?」 「えぇ? それはどうだろ」  あっちゃん先輩の期待の眼差しに、僕らは苦笑いを零しながら首を傾げる。すごく有意義で、すごく楽しい時間だ。 「さぁ、来週の月曜は何を見る? 誰が持ってくる?」  まーくん先輩が今日見た映画を片付けながら僕らに尋ねた。 「あ、俺観たいのあるんだ! いいかな、井川くん?」 「もちろんですよ! なに観ますか?」  僕も教室の暗幕を開けながら尋ねる。 「デッドエンド・シーズン1!!」 「「キター!!!」」  僕とまーくん先輩の声が重なる。今、絶賛シーズン2が上映中だ。その前作を見よう、ということらしい。 「もうシーズン2、観に行きました!?」  尋ねると、二人は頷いた。 「先週行ったよ!」 「俺も! 井川くんはまだ?」 「バイトがあるから、なかなか時間取れなくて。でもほんと早く観に行きたくて仕方ないんですよ!」 「バイトはつらいね~」  先輩に労ってもらいながら、僕らはせっせと教室を片付けた。  そして十七時半。大体これくらいの時間に部活はいつも終了する。 「では、諸君。来週もフィルムの世界を楽しもう。解散!」  お決まりの挨拶で敬礼すると、笑いあいながら部室と言う名の視聴覚室を出た。  二人は電車通学のため、校門前でサヨウナラだ。僕はそのまま自転車置き場へ直行する。学校から自転車で五分もかからないコンビニで十八時からバイトをしている。  仕事は二十二時までの四時間。レジ、納品、掃除をこなし、帰宅する。毎日入っているわけではないが、まだ研修中の身なので、極力シフトに入るようにしている。早く仕事を覚えたいしね。 「お疲れ様、井川くん」  四時間はあっという間だ。もう大体の仕事の流れは覚えたが、曜日によって忙しさが違うため、てんてこまいで終わる日もある。そんな日は申し訳なくて仕方なく、不甲斐ない思いで帰宅する。とはいえ、帰った頃にはお腹が空きすぎている為、ご飯を食べたら全部忘れてしまうんだけど。  明日は土曜、休日だ。朝からバイトだけど、帰りに映画を見に行こうかな。デッドエンド・シーズン2を!
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