第一話 召喚

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第一話 召喚

次に私が目を覚ましたときは、うつ伏せになりながら空を見上げていた 「……ん…?」 何も音はしない……そうか、ここは天の裁きを受けるところ、要するに天界裁判の場ということ? 無い知恵を絞りながらそのままうつ伏せになっていた 確かに、それだとしたら、私も思い当たる節がある…ような… 『いつまでそうしているの?』 誰かが不思議そうな顔で私の顔を見ていた 「ひゃっ、ひゃあ!」 『わっ……』 慌てて飛び起きた際に危うく頭をぶつけそうになった 「ご、ごめんなさい!私、私……」 『焦らないで、落ち着いて』 「あの、あの、あの……」 『そういえば、まだ名前名乗ってなかったね、私はアンバー、君の心に宿し宝石、そして、君を護る者と、言えば伝わるかな?』 「え、アンバー……ど、どういう状況……」 『状況?状況も何も、何となくわかると思うけど、君をこの場所に召喚したの』 『理由は……って、話聞いてる?』 「あ、は、はい……」 『なら続けるね、実は君を呼んだ理由、それは、君にこの宝石の、この国の次の護り人になってほしいんだ』 「ま、護り人…ですか?」 そうして、私、富士見ひかりは、この国、この宝石人によって護られる国へと転生したのだった…… ◇ 初めにということで、宝石人から護り人に関する説明を受けた 護り人、それはこの世界の全ての国に存在する者であり、国々の維持力、生命力等全てを司る、守護宝石を守るためにいる者ということを伝えられた 「で、でも、今、宝石人…アンバーさんが護り人をやられているんですよね?」 『ええ、でも、この世界でとあることが起きているの……これを見て』 ヒュオ…ストン そう言われ、宝石人から渡された宝物(ほうもつ)には《宝石星 歴全史》と記されていた 『これはこの国ひいては、この星の全ての歴史が記されている宝物(ほうもつ)なの、歴全史は1代前の宝石人から造語という風に伝えられてるけど』 『それで、それの最後の方を見てもらうと書いてあるんだけど…って文字多いよね……』 「うん……」 シュオオン…… 『と思って、前の人が残してた動画があるから…って、あれ?どこ行ったっけ?…え〜と、たしかここに…』 ガチャ、パタン、ガチャ、パタン、ガチャ、パタン、ガチャ…… 『あっ、やばっ……』 バタバタドタドタドタン…… 『きゃっ……』 「え、えええ〜っ……えええ〜っ……」 ◇ 3時間後 『ま、まあ、見てもらってわかる感じこんな感じなの』 め、め、めちゃくちゃ長かった…… 片付けるのに2時間位かかって、動画が1時間位あるって聞いてないんだけど…… 『こんな感じで危機的状況で、いつこの国が襲われてもおかしくないの……』 「は、はぁ……」 先程見せられた動画を見る限り、この星はいつ戦乱の世へと突入してもおかしくない状況らしい 始まりはこの世界で数百年前に起きた夜闇の下剋上事件及び暗殺集団狙撃部隊集団失踪事件で、今は、なんとか膠着状態を保っているそうだが、それぞれの敵対する国々同士が戦を始めようとしているらしい 動画にしてくれてもわけわかんないんだけど…… 『ということで、君に護り人になって欲しいというわけなの』 ええっ〜……全く持ってわかんなかったんだけど…… 『ま、まあ、わかんないと思うから、とりあえずここで過ごしてみて、それで変わるかもだし』 「え、なんかどんどん話が進んでるんですけど、元の世界に戻れないの゙?元の世界での魔法少女なんか辞めようと思ってたのに……」 『その力が今必要だから召喚したの、だからこのあとも…少なくてもこの世界では魔法少女で居なきゃいけないの』 ナニイッテンダコイツハ 『というか、なんか最初の頃より喋れてるね』 「あ、そ、それは…熱中して話しちゃうと何故かスムーズに話せるというか…なんというか…」 『あ、そうなんだ』 第二話に続く
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