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昔々
42年前、最初にこの家が建ちました。
誰が建てたのかは存じません。そして、約20年ほど居住したのち、前の住人はこつ然と姿を消したそうです。いわゆる『ナイト・オブ・エスケープ』というヤツです。家の中は嵐でも過ぎ去ったかのように無茶苦茶だったと聞いています。
その家屋と土地を、いわゆる『リフォーム・バイヤー』が買い取って中身(抵当含む)を整理した上で、大手不動産屋に売却を依頼しました。
当時、結婚したてだった私の姉はいずれ子育てをすることを見込んで広めの家屋を探していました。
ちなみに、この家を不動産屋のサイトをネット検索して姉に紹介したのが私なんです。……なので今回のお片付けは『責任をとる』という意味合いもあるんですが。
ちなみに、これが『その当時』の画像。
庭木が主張しすぎて、もはや何が何だか(笑
この草ぼうぼうの家屋を姉本人ではなく『姉の母親』つまり私の親がたいそう気に入ったんです。何つーか、子供の頃から田舎で金銭的に苦労してきた記憶が『お屋敷的な雰囲気』に対する憧れに通じるものがあったんでしょうねぇ。
で、結局は多額のローンを(姉が)組んでご購入。
……ですが。
どうも、姉は最初からこの日本家屋がお好みではなかったようです。母親が急逝するとこの家から離れ、まったく近寄らなくなってしまいました。
親の死去後、残ったローンだけ何とか姉弟で始末し、どうにか負債だけはないようにはしましたが、それから18年ほど誰が住むでもなく放置されることになったのです。
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