はじまりの日

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 凛と紗弥とは、三年生になって初めてクラスが一緒になった。大学合格のために、ただただ真面目な高校生活を送ることがモットーの私にとって、いつも一緒に行動する友達は、正直、いても居なくてもどっちでも良いと思っていた。  三年生になって、最初の方の授業で、グループワークをすることになり、そこで、たまたま同じグループになったのが、凛と紗弥だった。 それが縁で、私たち三人はお昼ご飯を一緒に食べたり、教室を移動する授業がある時は一緒に移動したり、常に三人で行動するようになった。  女子の特性だと思うが、なんだかんだ群れたがる生き物だ。一緒にいる友達なんて、いなくても大丈夫だと思っていたにも関わらず、いざ、この二人と行動するようになって、私の高校生活は、少しは居心地が良くなった気がする。  それでも、実は、二人に完全に気を許したわけではない。あまり個人的なことは話さないように、少し壁を作っている。私は、中学の時の経験から、友達付き合いは、干渉しすぎるとお互いに良くないことも起こることがあると学んだからだ。どこか冷めた関係くらいが、自分を守るためにもちょうど良い、そんなふうに考えていた。だから、二人から、個人的なことを聞かれたりすると、いつもはぐらかしたり、話を逸らしたり、逆に二人に質問したりして、自分のことについては、あまり話さないように気をつけていた。  私の高校は、クラス分けも三年生は、成績順で決められている。もちろん、私たちは、トップ集団が集まる1組だ。凛と紗弥も同じクラスなので、学力的にも大差ない。正直なところ、学力が近いのも、変に気をつかったりしなくて良いと、私は思っている。  試験後に、毎回、廊下に張り出されるトップ100の氏名が書かれた成績順位表も、彼女たちと仲良くなってからは、何気なく彼女達の名前も探すようになったが、常連のように載っていた。だから、私は、二人ことを勝手に、同志のような友達だと思っていた。きっと、二人も自分と同じで、ただ普通の平穏な高校生活が送りたい人なのだと。    
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