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新たな日常
シエルとの突然の別れの後、私は、以前とは少しだけ生活が変わった。
凛と紗弥といる時間が長くなり、登下校も一緒にして、休みの日に一緒に図書館で勉強したり、一緒に映画を観に行ったり、買い物に行ったりするようにもなった。
そして、二人には、シエルとの授業についても話した。ただ、どうしても、あの卒業式の約束のことだけは言えなかった。言ってしまうと、あの二人だけの約束がなくなってしまう気がしたからだ。
そして、私は、無事に、帝統大学の指定校推薦を受けられることになり、合格を勝ち取った。
凛は、芸能コースにいた頃、目指していたバレエ留学の道が、やっぱり諦めきれず、今はその道に邁進している。紗弥は、冬に行われる大学入試に向けて、一心不乱に勉強中だ。
三者三様進む道は、それぞれだが、お互いの夢を語り合えるまでの仲になれたのは、シエルが、背中を押してくれたからだ。
次に会った時には、シエルには感謝の気持ちを伝えよう。そして、「好き」という気持ちも……。そう心に決めて、私の卒業式の日に、絶対にあの場所で会えると、私は信じて疑わず、毎日を過ごしていた。
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