はじまりの日

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はじまりの日

 ーー目覚ましの音が聞こえる気がする…。  ーーおかしいなぁ……  ーーさっきベットに入ったばかりなのに……  ーー目覚まし時計の時間、セットし間違えたかな……  そんなことをぼんやりと考えながら、私は、ゆっくりと上体を起こし、けたたましくなっている目覚まし時計のベルを止めた。 「え……。四時?」  私は、眠い目をこすりながら、いつもより、かなり早い時間に、目覚まし時計が鳴ったことに驚き、声に出してしまった。  まだ、起きるには早すぎるし、二度寝しようかなと考え始めていると、勉強机の上に置いたままの、数学の教科書が目に入った。  ーーそうだ、学校に行かねば……。  私は、ベッドから立ち上がり、制服に着替えて、鞄に教科書を入れ、登校する準備をした。  そっとカーテンを開けてみると、外はまだ薄暗かった。  こんな時間に家を出るとなると、家族は心配するだろうなと思い、両親と私、そして、中学生の妹のみどりの4人の家族LINEに、メッセージを入れておくことにした。 『おはよう! 今日は、少し早めに学校に行って、学校で、試験のための勉強をすることにした。試験前に、先生に質問したいこともあるし。いってきます!』  まだ、家族は寝てるだろうし、通知音が鳴らないように、私は、サイレントモードにして、メッセージを送信した。 ーーよし、これで、準備完了!  私は、なるべく音を立てないように、そーっと廊下を歩き、家を出た。
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