はじまりの日

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 私が、学校に着くと、少しだけ、人が一人通れるくらいの幅だけ、校門が開いていた。  ーーこんな時間でも、誰かもう学校にいる人がいるんだ。  ーーいつも立っていらっしゃる守衛さんは、いないけれど……。  ーー先生とかもう来てるのかな……。  私は、勢いそのままに学校まで来てしまったが、校門が閉まっていたらどうしようと頭の片隅で少し心配していたので、校門が開いていたことにホッとした。  校門を通り抜けて、いつものように、自転車置き場に自転車を置きに行く。なぜか、誰かの視線を感じたような気がして、何度も振り返ってみた。誰もいない……。でも、確かに、誰かにジッと見られていたような気がする。  ーー誰だろう……。  私は、少し怖くなる気持ちに蓋をして、気にせず、こんな時間に学校に来た理由である、物理のメモを探すことにした。  なんとなく、誰かに見られている恐怖からか、私は、急ぎ足で、自分のクラスの教室へと向かった。  ーーやっぱり、誰かいる?  ーー私を追いかけてる?  私は、怖くなり、だんだんと歩くスピードが速くなり、まるで競歩のように、音は立てないように、でも速く歩いて、自分のクラスへと急いだ。
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