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突然
帰り道
凌太は
私の家の近くで立ち止まった
「菜々美・・・ちょっといいかな?」
真剣な表情
”何よ
改まって”
私は少し
気持ちが悪かった
凌太のそんな真剣な顔
見たことなかったから
”今日一日
連れまわしたから
怒ってるのかな?”
凌太は荷物をベンチに置いて
こちらを見る
「あのさ
もうすぐ卒業だろ?」
そうだ
三月には
私たちは別々の学校に進学する
初めて
別れた道へ進むんだ
「その前に
言っておきたいことがある」
凌太は真剣な表情で
何を言い出すのか
緊張して私は聞いていた
「菜々美のことが好きだ」
そう言うと
顔を真っ赤にする凌太
その顔があまりに真剣で
私は噴き出す様に笑ってしまう
「何だよ!!笑うのかよ!!!」
凌太はむっとする
「ごめんごめん
何を言うかと思えば
好きだって・・・」
凌太は眉間にしわを寄せてこちらを見る
「ごめん
別に茶化すわけじゃないよ
嬉しいよ
有難う
あと・・・私も凌太の事
好きだよ」
そう言って
私は
凌太に近寄り
頭を撫でるようにすると
凌太はそれを避けて
私の右手首を掴み
「マジで言ってんだけど
男として・・・好きだ」
そう言って睨むようにこちらを見た
小さな頃から姉弟みたいに育った
仔犬の様について回って
泣き虫だった凌太が
私の腕を痛いくらいに掴み
真剣に告白している
その状況が受け入れられないで
動揺し
私は彼の手を勢いよく振り払って
「凌太のくせに生意気!
私の事を好きなんて知ってるし
だったら何だっていうのよ」
いつもの様に
強めの言葉を投げつけた
凌太はその瞬間
少し寂しそうな顔で
小さくため息をついて
数秒・・・・・・
「そっか・・・生意気か・・・」
そう言って
そのまま自分の家の方へ歩いて行った
「こら~!荷物
家の中まで持っていけ」
照れ隠しと
言いすぎた感をごまかそうと
私は凌太の背中に叫び続けたけど
彼は振り返らないで帰っていった
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