見えない敵

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うおおおおぉぉぉぉぉぉ 昨日もやられた。 就寝中に狙われ、ことごとくやられる。 連日のことに、大きな声をあげれば少しは気が紛れることを慎二(しんじ)は学んでいた。 どうしても見えないんだ。 気配は感じる。 しかし慎二にはどうしても見えなかった。 毎朝起きるのが憂鬱で仕方ない。考えるだけでも怒りが込みあげ、蕁麻疹が出たように各所が熱を持ち痒くなる。 もういい加減にしてくれ。 慎二は両の手で寝起きの頭をぐしゃぐしゃかきまぐった。
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