気の合う友達

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 そのターゲットにされているのがうちの子と同じクラスの子のママなのですが、体型はスマートではありません。  そしていつも同じ服を着ていて、ご病気を患ってらっしゃるのかどうかは不明ですが髪の毛が無く、いつもニット帽をかぶっています。  仮にこの方をA子さんとします。  悪口大好きママグループの人たちは、A子さんが保育園に送迎に来た時や保育参観などの行事の時、あからさまにA子さんのことをバカにするのです。  その声が私を含めた周りに聞こえるぐらいのトーンで。 「なんかさ、ずっと思ってたんやけどー、あの人いっつも同じ服着てない? 洗濯してないんかな?(笑)」 「してないやろ。(笑)私そういう不潔なのほんま無理やからさぁ、失礼やけどすれ違う時に息止めてるし(笑)」 「私こないだ話しかけられてさぁ、正直焦ったわ。だって、変に相手して懐かれたりしたら嫌やん?(笑)」 「てかさ、なんであの人髪の毛ないん? 病気? 白血病?」  こんなことを言っている人の中には、誰から見てもそう思うだろうというほどに美人でスタイルも良くてオシャレな人もいます。  そして、そんな人たちを見るたびに私の脳裏には真奈美の顔がチラつくのです。  ——美人でスタイルも良くてオシャレで、見た目も若々しい同年代の女性。  一見すると何もかも満ち足りているふうに見えますが、本当はその逆だったりするのかもしれません。  そう、もしかすると、真奈美のように自身の劣等感や不満が他人への攻撃という形で出てしまうからこそ、悪口を言うという行動に走るしかないのかもしれないのですから。  その点では、A子さんは真逆と言っていい人柄でした。  先日の保育参観の日、9ヶ月の次女を連れて参加していた私に、A子さんが初めて声を掛けてきてくれた時のこと。
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