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「なんで先輩方なんですか?技術力なら私の方が上ですよね」 そうキッパリと言い切り、私を睨みつける。 今の状況に戸惑いながら、助けを求めるように周りを見回すも該当する人物の姿は無かった。 「土屋さん、どうしたの急に?」 「ですから、酒井先輩や成宮先輩より私の方が技術力ありますよね?それなのに何でなんですか?人選ミスだと思うんです」 「それで?」 「真木先輩から上に言ってください」 「何を?」 「私の方が使えるって」 「土屋さんがどんな話を聞いたか分からないけど、私から特に言う事はないかな」  「何でですか?」 「だって神田さんが決めた事だからね」 「ですから、それが間違ってるって言ってくださいよ」 「それは無理でしょ」 「何でですか?真木先輩がプロジェクトマネージャーなんですよね?だったら交代の権限もありますよね」 「神田さんの人選に間違いは無いよ。私も交代させる気はないしね。それより、どこでこの話を聞いたの?」 「どこでも良いじゃないですか」 「良くないよ。成宮くん、伊坂さんか加賀美さん呼んで来て」 トラワンの公演に関する事は、極秘扱いになっている。 酒井くんと成宮くんも今日私から聞いて知った訳だし。 ミーティングが長くなってきたから、一度休憩を挟み、戻ってきたら土屋さんがミーティングルームにいたんだよね。
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