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日本支社にはジュンさんに伝えてこいと言われたが、そんな暇はないんだよな。
ファンミーティングも終盤になるから、一度彼らが戻ってくるし。
「あの、何度も言いますが、今回は無理ですよ」
「通訳が何を知ってるんだよ」
「今、たまたま手が空いていたので通訳をしましたが、私は本国のスタッフです」
「え?」
「本国のスタッフで日本語が堪能なのは数人しかいません。私はそのうちの一人です。今も仕事を他の方にお願いして、こちらに来ています」
「本国スタッフ。日本人なのに?」
「はい。実際、余裕なんてありません。寝る間も惜しんで日本で活動しています。移動時間は次の仕事をインプットしたり、仮眠したり。時間がないんですよね。仕事に関して、日本と韓国の差はあると思いますが、日本のやり方が通用しない場合もあるんです。本国の思いを汲んで、日本支社はサポートするべきなんじゃないですか?とにかく今回の渡日中のスケジュールに空きはありません。お引き取りください。私はこれで失礼します」
置き去りにしてやる。
彼らが唖然としてる間に部屋を出た。
再度絡まれる前に逃げるんだ。
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