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「ちょっと待って貰えますか?」 高圧的な不機嫌な声。 今まで黙っていた中野さんが口を開いてしまった。 逃げるの失敗。 嫌な予感しかない。 「先ほどのジュンさんを呼んでください」 「ですから、今は時間がありませんので」 「私達は待ちます」 「……待たれるのは構わないと思いますが、会われるかは分かりませんよ?」 「本国の方々は常識がないんですか?」 「中野さんがおっしゃっている常識は分かりませんが、本国スタッフの方々は常識的ですよ」 「では、私達は待ちます」 「分かりました。ジュンさんに伝えます。では私は失礼します」 「ちょっと待って。ジュンさんを待つ間、見学したいの、誰か案内してくれる方を呼んで貰える?」 「はい?」 いい加減にしてもらいたい。 どんだけ自分本位なんだろう? 「日本支社として、今回のファンミーティングは断片的な情報しか来ていないのよね。支社と本国を繋ぐスタッフの連絡ミスだと思うのよね。Heavenとも顔合わせが出来ていないし。営業をかけるにしても、彼らの人となりが分かった方が適材な広報活動が出来るから」 「申し訳ないのですが、今から案内が出来る人材はいません。Heavenがパンクするぐらいの予定が詰まっている状況なんです。周りのスタッフはそれ以上に忙しいんですよ」 「フラフラしているスタッフがいるじゃない?」 「いませんよ。居るとしたら、日本支社からの応援の方だと思います」 「じゃ、あなたで良いわ」 「私も忙しいんですけど」 「今抜けれてるんだから、問題ないでしょ?」
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