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「土屋さんもそこに座って。どこで話を聞いたの?」 「どこって……」 「悪いけどかなり状況は不味いからね」 「不味いって?」 「この案件、上層部しか知らないから。漏らした人間が特定するまで部屋から出られないよ」 「えっ?」 彼女が誰から聞いたのか、機密管理問題だよね。 守秘義務契約違反にはまだなってないけど、なりえる問題だと私は思った。 「わ、私そんなつもりは……」 「でしょうね。で、誰から聞いたの?」 俯いたまま黙ってしまった。 ため息を堪えながら、天井を見上げてしまう私は間違ってないよね。 「お疲れ様。どうした?」 「加賀美さん、すみません」 「事件だって?」 「事件って言うか、土屋さんが」 「ああ、なんで土屋がここにいるんだ?」 「土屋さんが自分をケアスタッフに加えて欲しいと」 「はぁ?なんで?と言うか、なんでココに居る?土屋はスクールだっただろ?土屋、なんでココにいるんだ?」 「……」 「黙ってたら分からないし」 「加賀美さん、土屋さんはどなたから今回の話を聞いたと思いますか?」 「え?」 「今回の件も極秘ですよね?」 「確かに。土屋、どうなんだ?」 「……誰からも聞いてません」 「じゃ、なんで知った?」 「わ、私……すみませんでした!!」 「どういう事だ?」
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