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「こんな事を言ってはいけないかもしれませんけど、もっと違う仕事がしてみたかったんです。スクールとかサロンとかじゃなくって。もっと実感できる仕事が。同期はみんな担当を持っています。でも私は無くって。ケアバスに申請だしても却下されるし……」 「あのさ、なんで土屋が担当持ってないか分かってないのか?」 「分かりません。私に嫉妬してる人がいて、邪魔してるんでしょ?」 「あははは、笑える冗談だ。マジで言ってる?」 「違うんですか?」 「はぁ。どんな思考してんだよ」 「ちょっと待って。加賀美さんも頭抱えないで。土屋さん、あなたサロンで指名されてるの知らないの?」 「指名ですか?」 「そうだよ。土屋さんのサロンが多いのは指名されているから。それと、その技術力を買われて人材育成に任せてるの。え、知らなかったの?」 「……初めて聞きました」 「ちょっと、加賀美さん!!どういう事ですか?」 「オレも初聞きだよ。ごめん土屋。こっちのミスだ。酒井、伊坂さん呼んできて。あと土屋のスケジュール表も」 土屋さんはまだ若いけど、腕がとてもいい。 サロンも土屋さん指名が多数いる。 講師としても優秀で、スクールの生徒さんからも評判がとても良い。 今回も思ったけど、推理力と言うかリサーチ力が半端ない。 サロンのお客様、一人一人の事を理解しケアにあたっている。 自分のやっている競技の事を理解し、ケアに役立ててくれているのは、お客様が一番分かっているしね。
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