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「皆さんこんにちは! STELLAです!今日は僕たちのデビュー記念イベントに来てくださりありがとうございまーす!」
「きゃぁーっっ!!」
ついに彼らがステージの上に登場すると、集まった新規ファン全員の心拍数が上がる。
それは、Blue Mondでイベント慣れしたユリもマルちゃんも一緒だ。しかも、いつもとは違うグループだからさらにドキドキする。
そんなに気合いを入れるつもりはなかったけれど、立ち見でいつの間にか人の波に流された。ふと気付けば、思ったよりも前の方のエリアでトークを見ることになった。
この前のテレビで観た時と同じ順番で、メンバーが自己紹介を始める。
「みんなの優しい星☆STELLAのリーダー優星です!僕のメンバーカラーは黄色でーす!」
「きゃぁー!」
多くの人に好かれる、というか嫌われる要素ないだろうなぁ……という相変わらずの眩しい元気な笑顔を振りまく金髪のリーダー。
ユリがチラっと横目でマルちゃんを見ると、さっそくペンライトの色を黄色にしている。
思わずそれを指差して爆笑する。
「マルちゃん、それ!」
「えへへ、もう確定だわぁ~!」
開き直ったマルちゃんがドヤ顔でペンライトを見せ付けてきた。ここに、リーダー優星のファンが1人誕生した。
すると、次のメンバーがぼそぼそっとした小声で発言し始めた。
「STELLAの健太です、メンバーカラーは緑です、よろしくお願いします」
「ぎぃやあああー!!」
ユリは、上がった悲鳴にびっくりした。人数は少なめだが健太のファンは、マニアック系ということが歓声ではなく悲鳴である事で理解できた。
アイドルなのに、どっさりした前髪で目どころか顔の上から半分の表情が見えない健太。
それでもこの時点で"彼が好き"という人は確かにマニアックな気もする。
コメントの話し始めが聞き取れなかったので、みんながすぐ騒ぐのをやめて健太の発言を聞き取ろうと静かになった。
この人数を黙らせる、という意味ではそれも才能かもしれない。
「ねぇユリ、この健太くんのキャラもし計算だったらどうする?」
「え?!それはヤバいわぁ~!ある意味1番未知の沼かもしれないねぇ」
まだ彼らのことは知ったばかり、これからもっと知らないと解明できなさそうなメンバーの性格や謎。そうやって人々が、新しいグループに惹き付けられていくのだ。
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