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 好きな人といたいから  そんな単純明快な理由で、偏差値を下げた高校に決めた。休日明けの月曜日、俺はカーテンを開けて射し込む熱い太陽に白Tシャツを胸元で仰いで。  あちぃー  と呟いて。充電していたスマホの電源をつける。突っ張り棒に吊り下げたままの白ワイシャツをとり、制服のズボンを履く。  高校2年は赤いネクタイを締めて。腕時計を身につけていく。  山寺南のラインを開き、おはようのスタンプを連投していく。  まだ既読にならない。 「バイブにしたか?ったく」  プルルルとコール音を響かせるスマホを右耳に当てて、幼馴染みにモーニングコール。 『ふぁい、起きましたぁ~』  寝起きの南の声をしばらく、澄まして聞く。すぐ起きるようなタイプではないから・・・  ぅぐ・・  また夢の中にいく。 「南、クマったのアニメ見過ごすぞ!!」 『ぎゃあ!!はやく言ってよねぇ』  こんな調子で起こさないと起きてくれない。推しの目覚まし時計をプレゼントしても、夢心地が続いてダメだった。  ピロリン・・・  勝手に切れる通話にも慣れた。俺は自室を出て洗面所へと向かう。
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