10人が本棚に入れています
本棚に追加
ヘルプ
好きな人といたいから
そんな単純明快な理由で、偏差値を下げた高校に決めた。休日明けの月曜日、俺はカーテンを開けて射し込む熱い太陽に白Tシャツを胸元で仰いで。
あちぃー
と呟いて。充電していたスマホの電源をつける。突っ張り棒に吊り下げたままの白ワイシャツをとり、制服のズボンを履く。
高校2年は赤いネクタイを締めて。腕時計を身につけていく。
山寺南のラインを開き、おはようのスタンプを連投していく。
まだ既読にならない。
「バイブにしたか?ったく」
プルルルとコール音を響かせるスマホを右耳に当てて、幼馴染みにモーニングコール。
『ふぁい、起きましたぁ~』
寝起きの南の声をしばらく、澄まして聞く。すぐ起きるようなタイプではないから・・・
ぅぐ・・
また夢の中にいく。
「南、クマったのアニメ見過ごすぞ!!」
『ぎゃあ!!はやく言ってよねぇ』
こんな調子で起こさないと起きてくれない。推しの目覚まし時計をプレゼントしても、夢心地が続いてダメだった。
ピロリン・・・
勝手に切れる通話にも慣れた。俺は自室を出て洗面所へと向かう。
最初のコメントを投稿しよう!