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 1軒挟んだ家から出てくる南に片手を挙げて近づいていく。小走りに駆けよってくる南は、俺を通りすぎていく。  え?  振り返ると姉貴がドヤ顔をしている。南のこと小言、言ってたくせに・・・ 「おはよう。南ちゃん」 「おはようございます。茜さん」  俺は来た道を引き返していく。個性が強い姉貴に憧れを抱いている南の目の色が違う。  キラキラしている。俺にはそんな眩しい視線を向けてくれたことないのに。  俺は・・・・悔しい!!  群青色のスカートを翻し、やっと挨拶してくれる南。あ、居たんだみたいな声色で。 「おはよう。たっくん」  姉貴がニヤニヤしながら余計な一言を。  いつの間に持ち歩いてた俺宛のラブレターをトランプみたいに広げて南に見せつけて。 「弟はこんなにモテるんだよぉー」  意地悪な姉貴め!!  
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