最強な南

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 廊下を横並びで歩いている船岡くんは、人差し指をあげてメガネをくいっと直す。 「プランAが失敗しましたから、プランBの計画を練りましょう?」  南のクラスに行き、船岡くんから俺に話を向けるのが、プランA。  岡田くん、好きな人いるんですって?  まぁな  オーバーリアクションをして近所のおばさんよろしく演技をするはずだった船岡くん。  そして、俺は平静を装い食べながら返事をし、南の反応を伺うはずだった。 「よろしくな、船岡くん」  不意打ちの俺の笑みは男女とも、キュンとさせるようで。  笑顔を向けた船岡くんが胸に手を当てているように、キュンとした男女は必ず、胸に手をあててしまうらしい。 「惚れてしまうでしょう!!そういう笑みは好きな人にだけお願いしますよ?岡田くん、いいですね」  俺はこくこくと深く頷き返す。  特進クラスへと戻り、個別のライン登録を済ませてから、プランBを練っていく。
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