幼馴染み属性は

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 家に帰ると姉貴がニヤニヤと玄関で仁王立ちしている。山寺家から帰ると、いつも姉貴が待ち構えて。 「好きだって言えたら、楽じゃない?まぁ、拓哉の告白が1回失敗したからってさ~」  ツーブロックの刈り上げの髪を赤毛に染めている姉貴の目の色は人魚姫と同じ水色のカラコンだ。迷彩柄の丈が短いシャツを着て、半袖のジーパンを穿いている。 「動くと撃つぞ?姉の言うように恐れずに告ること。いい?」  ガチャガチャと頭に向けられる水鉄砲。季節は6月だが、心が熱い岡田家はこの時季から半袖半ズボンスタイル。  スニーカーを脱いだ俺は両手を上げながら、振り返る。  びゅー  びゅー  顔面から水を浴びまくる。玄関が水浸しなのは常だ。だから、両親は吸水性がある玄関マットを2枚長めに敷いている。 「弟に構ってもらえなくなったからって、やることが幼稚なんだよ!!ご、ほ・・」  弟の恋を応援してくれるのかと思ったら、姉貴は小姑に変わっていく。  自分で行けばいいのに  言えばいいのに  未来の妹になる人に嫌われたくないと、キャラクターを変えるんだから嫌になる。 「ブラコンって言われても気にしないから、あんたはね水も滴るいい男なんだからね!!」  その台詞が言いたくて、毎回水かけるのやめてくれよ・・・
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