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幼馴染み属性は有利だ。現に南が毎月読んでいる少女マンガにも俺らと似たような関係性が描かれている。
「俺らは最強なんだって」
大きな瞳がまっすぐに俺を見つめゆっくりと、首を傾げていく。本棚に視線を送り、振り向く南がやっと笑った。
「幼馴染みだから?たっくん、乙女なんだね~」
かぁぁぁと顔が熱くなっていく。微笑んでほしくて話を変えたのに、逆に笑顔の攻撃を受けて照れてしまう。
わかりやすいくらい態度に出てるのに、南には伝わらない。
「対戦相手になってくれてありがとうな。南・・・俺たちクラスメートになんて言われてるか知ってる?」
カードを仕舞いながら、俺は南に聞いてみる。女子からも男子からも言われている俺たちの噂。
当然、本人の耳にも入っているはず。
「岡田くんは家族だからって言ってるけど」
家族だから・・・
家族だから・・・
何度その言葉を繰り返しただろう?
「たっくんもそう言いなよ。ねぇ、たっくん?おーい・・・」
幼馴染み属性が強いなんて考えが外れて、俺はしばらく放心していた。
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【岡田拓哉はこうげきをうけた】
南の笑顔ラブ攻撃50
家族だからのマサカ攻撃50
岡田拓哉は、しばらくうごけない。
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