憧れ〜結婚二日前の手記〜

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 ふと、思うことがある。「好き」ではなく「憧れ」であったことに、から気づいていたのではないかと。自分より先にいる者に、勝手に期待して、妄想して、追いかけて、自分もそれになりたがった。でも、ある程度の地位を手に入れた今でも、私は自分が憧れの対象となるような人ではないと思う。所謂、普通の人。以降の私は、憧れたあなたが実は普通の人だったことに、気づいていたのではないか。それに気づかないようにしていたのは、他ではなく、私自身だ。片思いのまま終わらせようとしたのは、私だ。大学生になってからあなたと離れたあと今なおも、あなたは私の憧れとして存在する。
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