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これで今日の仕事は終わった。
いつも通りシャワーを浴びて寝よう。
普段の仕事の後より頭はいやに醒め切っているのに体には倍以上の疲れが重たく纏い付くのを覚えながらバスルームのドアを開けて灯りを着ける。
“ぺぺへ”
洗面台のすぐ脇に金釘じみた筆跡で書かれた二つ折りの紙が置かれているのが目に飛び込んで来た。
ワッと体中の血が湧き立つような感じを覚えてすぐに手に取る。
“この手紙をあんたが読んでいるということはあたしはもう死んでるのね。あんたが嘘をつく時の顔はあたしが一番良く知ってる。嘘つきはお互い様だけどね。ずっと足を洗って欲しかった。ペペがぺぺでなくなっていくのを見るのが辛かった。先に地獄に行って待ってるから。どうか他の女は寄越さないで。あたしがヤキモチ焼きなのは知ってるでしょ?
ロラより”
あいつらしい金釘文字の並んだ手紙は、最後に記した名前の文字が微かに滲んでいた。
――ボーッ……。
まだうっすらとラヴェンダーの香りが漂うバスルームで紙を握り締めたまま独り床に膝をついた俺の耳に遠く汽笛の音が聞こえてくる。(了)
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