エースは決勝に向かう

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*  球場に到着し、バスを降りると、多くの人が僕たちに声をかけてくれた。  ふと目を移すと、少し離れた場所に桜台高校のユニフォームを着た集団が見えた。ひと際背の高い壮希の姿も見えた。 「伊藤、頼むぞ」 「甲子園いけるぞ!」 「全力で行け!」  桜台への応援も聞こえた。 「ありがとうございます!」  壮希が大きな声で礼を言っていた。その目は既に戦闘態勢に入っているようだった。野獣のような目だった。 「あ……」  あいつの顔を見ていて、僕は気が付いた。 
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