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球場に到着し、バスを降りると、多くの人が僕たちに声をかけてくれた。
ふと目を移すと、少し離れた場所に桜台高校のユニフォームを着た集団が見えた。ひと際背の高い壮希の姿も見えた。
「伊藤、頼むぞ」
「甲子園いけるぞ!」
「全力で行け!」
桜台への応援も聞こえた。
「ありがとうございます!」
壮希が大きな声で礼を言っていた。その目は既に戦闘態勢に入っているようだった。野獣のような目だった。
「あ……」
あいつの顔を見ていて、僕は気が付いた。
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