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いつもあなたが好きだったうた
いつもあなたが好きだったうたを
私も好きで一緒に歌っていましたね
おべんとうばこのうた
楽しかったね
小さい頃からいつも一緒で
あなたは隣りの葡萄農家のお家
わたしのお家は会社員のお家
親達も仲良しだったから
3歳ころのふたりは小さく
幼馴染のあなたに私はいつも
抱きついてふざけていた
おぼえていますか
小さい頃のあなたは泣き虫で
いつも男の子でしょって
わたしに叱られていたけれど
僕のお嫁さんになれよって言い
ほっぺにチュウをしてくれました
そんな時だけ強い男の子でしたね
小学校でもそのまま
泣き虫あなたはみんなにいじめられ
わたしがいつも助けていました
おぼえていますか
修学旅行で行ったお伊勢さん
お参りを一緒にしましたね
お土産にお守りをみていたら
おなたはこの色がいいよって
わたしはこっちかなって言うと
そしたら俺もそれを買うって
中学校ではあなたは
いつのまにか私より大きくなって
たくましい男の子になっていたね
おぼていますか
帰宅途中に急に雨になり
あなたは傘を貸してくれました
あなたも濡れないようにと
あなたの肩に傘を差し出すと急に
お前が濡れるだろうって言うと
俺は先に帰るからって走りだした
高校も同じとこに行けるように
わたしは受験勉強頑張りました
合格して一緒に入学しましたね
おぼていますか
いつの間にかあなたは人気者
多くの女子に告白されていましたね
あなたは私に相談してきたけど
相談されるわたしの気持は考えたの
わたしの気持がわかっていなかった
少しずつ離れていくあなたが恋しかった
小さい頃から
いつもあなたが好きだったうたを
私も好きで大人になっても口ずさむ
大学進学ではお互い離ればなれ
ひとり暮らしで私は東京
あなたは長野の大学にいきました
おぼていますか
同窓会で夏に帰った時も
あなたは違うクラスの女の子と一緒
夜のお祭りであなたは女友達といて
浴衣姿の私に最初は気づかなかった
気づいた時は少しバツがわるそうにした
実家には朝になっても帰ってこなかったね
あれから5年が経ち
お見合いで私は実家に帰ってきた
あなたは実家のお仕事を継いで
美味しい葡萄を作っていましたね
おぼていますか
3歳の時あなたは私に約束してくれた
結婚しようねって言ってくれた事
わたしはずっと忘れはしなかった
だって私の中では本気だと信じてたから
だから見合いはずっと断ってたのに
あなたはいい人だなっていったよね
淋しかった 、悲しかった
今までの片思いは終わりました
だからもう親に心配かけたくないから
もう結婚しないとねと思いはじめたわ
お母さん
私は明日帰るから決心するね
あなたは隣の家から私を呼び出しました
私も最後に
もう一度だけあなたに会いたかった
おぼえていないのか !
結婚しようって約束したじゃないか
お前は忘れてしまったのか
それがどうしたのって聞くと
見合いは断って俺のお嫁さんになれ
高校の時は意識してしゃべれなかった
だけどやっぱりお前が好きだから
お前が好きだ、結婚してくれ
強引だけどプロポーズだったね
小さなあの時と同じ生意気な言い方だけど
想い出の約束だった
だったらまたほっぺにチュウしてくれる
あなたはあの頃と同じチュウだった
おぼえていますか
いつもあなたが好きだったうたを
私も好きで一緒に歌っていました
おべんとうばこのうた
わたしは隣家の葡萄農家に嫁ぎました
あたなたを先に果樹園に送り出し
うた歌いながらお弁当の準備する
幸せな時間をくれてるあなたに感謝します
そんな小さなころの約束
守ってくれてありがとう…
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