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3.相手を説得する時は期限を決めるのが手っ取り早い。ただし期限を守るとは言わないで。
夜着に着替える時、専属侍女に見せつけるよう胸を張る。
「何か気付いた事はないかしら」
「お、お、お嬢様の乳首が、乳首が勃った···!!」
長年悩んでいた事を知っていた彼女にこっそり報告したこの“勃起乳首”は、なんと次の日の朝陥没乳首に戻っていた。
「ぎ、ぎゃぁぁぁあ!!!」
伯爵家のお嬢様らしからぬ叫び声が屋敷中に響き兄と父、侍女とトイまでもが部屋に飛び込んで来た。
ベッドでえぐえぐ泣いているメリーだったが、兄と父にそんな説明出来るはずもなくて。
察した侍女もどうしたらいいかわからずオロオロしている。
「どうした、メリー?」
「怖い夢でも見たのか?」
「お嬢様···っ」
「や、その····っ、何でもない····」
涙を堪えながら何でもないと伝えても説得力なんてなく、困りきっていた時だった。
それまで黙ったままだったトイが小さくため息を吐き、私と皆の間を割るように入る。
「大変申し訳ありません、少しだけお嬢様と二人きりにしていただけませんか」
そう言って頭を下げる。
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