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婚約の申込みを断っていたのは陥没乳首がコンプレックスだったからのはずなのに、トイが触ってくれる理由になるならなんだかこの乳首も悪くない気すらしてきてしまった。
「あの、今日は少し大人っぽい夜着がいいな」
いつもの夜着を用意してくれていた侍女には申し訳ないが、この想いに気付いてしまったメリーとしては少しでも良く見られたくて希望を伝える。
そうすると何故か赤いレースが何層も重ねられた夜着がすぐに出され驚きを隠せない。
「自分で言った事だけど、何で用意されてるの···?」
唖然としたメリーに、にこやかに微笑んでくれた侍女は何も答えずサクッと着せて笑顔だけを残しすぐに出て行った。
最近謎ばかりだと思いながら部屋の鏡で姿を確認すると、大事なところこそ重ねられたレースで隠れているが他はしっかり透けていて。
「それにこの赤···まるでトイの瞳の色じゃない···それになんだかこの夜着···初夜用みたいな···」
ついまじまじと鏡を覗き込んでいると小さくノックがされ、思わず体が跳ねる。
なんだか急に恥ずかしくなり慌ててベッドに滑り込んでから返事をすると、入ってきたのは約束通りトイで。
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