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意表を突かれた男がひっくり返っている隙に慌てて自分の馬車へ走ると、後ろから怒鳴りながら男が追いかけてきた。
「ひぇぇっ!」
間に合いますようにと馬車へ駆け寄るとすぐにドアが開き、中から侍女···ではなくトイが飛び出してきて。
「お嬢様が怯えておられますので」
と、私を背後に庇って男の腕を捻りあげる。
男が出てくるなんて思わなかった相手の男は、捻られた腕を抱えながらぶつぶつ文句を言っていたが、
「馬車までお送りいたしましょうか?」
とトイが笑顔で聞くと走るように会場へ戻って行った。
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