1.まだ見たことのない“頂”を求めて

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「····そんなに真剣に眺めるもんか?」 さっきまでの冷たい敬語ではなく、少しぶっきらぼうだが心配そうにも見える表情でトイに話しかけられた。 「その話し方懐かしいわね?」 「失礼しました」 さっと頭を下げたトイに慌てて立ち上がり弁明する。 「嫌だった訳じゃないの!寧ろ嬉しかったというか!トイの事は兄のようにずっと思っていたし、せめて二人の時はその話し方にして欲しいくらい!」 「兄、ですか···」 何故かため息を吐いたトイは、それでも私の気持ちが伝わったらしく敬語を外す事にしたようで。 「で、別にそんな焦る事ないんじゃないか?そもそも断り続けたのってメリーだろ」 「別に断りたくて断ってた訳じゃないのよね···」 「そうなのか!?」 そう答えると、赤い瞳を目一杯広げて驚くトイ。 その表情を見て思わず気が緩んだ私は、行き遅れている焦りも後押しし、思いきってトイに相談する事にした。 「私の乳首がおかしいの···」 その発言を聞いたトイは凄い勢いでむせる。 「な、なに···ゲホッ、なん、ゴホッ、ち、ちく···ゲボッ」 慌ててトイの背中を擦りながら陥没していることを伝えた。
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