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1.まだ見たことのない“頂”を求めて
早い子は10歳前後で婚約どころか嫁ぐ事だってあるこの時代に、現在22歳・婚約者ナシの私ことメリー・ランスは世間一般で言うところの“行き遅れ”である。
「く、この胸がダメなのよ···!」
胸は割りと豊満な方だし、だからと言って太っている訳ではない。
それに日々手入れを欠かさない滑らかな淡い金色の髪に透き通る白い肌、くりくりと大きな青色の瞳···
年頃だった15歳前後なんて掃いて捨てるほどの婚約申込みが来ていたくらいで、それは全てメリー自身が断った。
今は昔ほど処女性は重要視されておらず、推奨こそされてはいないものの別に禁止されていない。
王族とかなら話は別だが、伯爵家である私には関係なくて。
そっと胸元の服を引っ張り自身の胸を覗き込む。
「····やっぱり今日もへこんでるわ···」
ある意味立派な陥没乳首がそこにはあった。
自分の胸が他の人と違うと気付いたのは閨教育の本を初めて見た時だった。
絵で解説されていたその本の女性には全て、ぷっくりとした突起乳首が描かれていたのだ。
すぐに侍女にも聞いたら
「大人になったら出てきます」
と言われ続け、とうとう22歳。
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