こんな姿で失礼します

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「パパってば、伊藤大臣に片想いしてたんだ〜。ウケる」  娘である千春には、片想い中ならすぐに告白してフラれてしまえ。両思いならばラッキーだが、付き合うのはダメだと毎日ウザいくらい念押ししてきた父、沼田。 ──私がゾンビになったら困るもんね。厚生労働大臣的に。 「偉そうな事を言って、自分がゾンビになってる……しかも、全国ネットで晒されて、ホントにバカだよね?このポテトチップス……しょっぱすぎ」 「千春……」  ルミが千春を慰めようとして肩に手をやると、再びテレビ中継が騒がしくなった。 「これはどういった現象でしょうか!沼田ゾンビが再び女性を追いかけ出しました!狙われているのは女性記者です、週間野獣の女性記者です!」  数々の下世話記事をすっぱ抜く、週間野獣の敏腕記者八代友美が、悲鳴をあげながら逃げまどっている。 「片想いの二股……」  さすが海千山千の八代記者、数えきれないほどの野獣砲を放ってきた女だ、逃げるのは止めて攻めに転じる気の強さ。  沼田議員の知られざる性癖を、次々と暴露しながら物を投げつけている。  ゾンビになった沼田にはノーダメージだが、身内には計り知れないダメージだ。しかも娘である千春は高校2年生、学校は閉鎖されているから行かなくてもいいが、近所付き合いはもう無理だ。
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