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サマルが独身なのかさえ知らないルミだが、一度だけ、パートのシンパさんと買い物をしているのを見かけた。
とても楽しそうで、仲良くタピオカドリンクを飲んでいた。
「サマルなんか嫌い」
嫌いになろうとしても嫌いにはなれない。むしろ会いたくなってしまう。夕飯がカレーの時は特に辛い。サマルの踊るしなやかな体躯が思いだされて、泣きたくなる。それに母のカレーは辛すぎるのだ。
ジワリジワリと募る想いは、ルミをゾンビ化させるエネルギーになってしまう。
「都市伝説のように囁かれてるけど、ゾンビ化の前兆って知ってる?」
千春はプイッターの、とあるプイートをルミに見せた。
危険!ゾンビ化の前兆!
ゾンビ化する1週間前から、肩重い
食欲不振 ため息 急な赤面症
「千春、これって片想いしているなら誰でも心当たりがある症状よね?」
「そうだけど、ここ見てよ。最後のとこ」
もう肉しか受けつけない
ルミは、食べていたフライドチキンをポトリと落とした。
今朝から肉を欲していたルミは、朝ステーキに昼焼肉、おやつはフライドチキンだったのだ。
「……とうとう私、ゾンビ化……千春、私がゾンビになっても──」
「もちろんずっと親友だよ!必ず肉を届けてあげる。だからだから……」
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