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「話が違うだろ」
「これは決定した事だ。貴様にとやかく言われる筋合いはないぞ? 世界政府の指示だからな」
「この俺が誰だか分かってそれを言っているのか? 俺は元老院の指示だ。もし同じところの指示なら、この場で世界政府の連中を殺してやってもいいんだぞ?」
アルージェがそう裁判長を睨めつけると、裁判長だけではなく裁判官も怯んでいた。また、アルージェの発言で世界政府の人間も委縮していた程だ。
「俺がその気になれば町の一つや二つくらい破壊できるのは知っているだろ?」
「じょ……冗談だろう!」
「俺がこういう場面で冗談を言うと思うか?」
アルージェは明らかに裁判長を威嚇していた。その圧倒的な威圧感は俺でも委縮してしまう程だ。ここまでキレているアルージェは珍しい。
「司令官の言う通りだよジェイコブ君」
そう発言したのは虎のように鋭い目をした口元の髭の剃り跡が目立つ褐色肌の中年の男だった。この人はオリュンポスの最高責任者の現アーサーで元老院の人間だ。
アーサーにそう言われたジェイコブこと裁判長は「ぐぬううう……」と唸りながら熟考している。そして――。
「被告人、ガレス・リストキーを国外追放とする」
俺に言い渡された判決は国外追放だった。
俺はこの事件をきっかけにオリュンポスのマスターズのNo.Ⅵの称号と大佐の座をはく奪された。
裁判は閉廷すると、俺は後輩や戦友達に囲まれていた。「本当なの?」という「何か答えてくれ!」といった類の声だ。
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