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「化け物だ!」
「確かに頭に当たっていたぞ!」
「ああ。悪い。お前ら程度の武氣じゃ、俺の頭を弾を通すことはできないぜ。それどころか血も拝めないぞ?」
リストキー副所長が不敵な笑みを浮かべてそう言うと、一人の男が錯乱状態になり身を丸出しでアサルトライフルを放ち始めた。
リストキー副所長にアサルトライフルの弾が何発か当たっていたけど血すら出ていなかった。
「ど……どうなっているの――副所長あんなに強いの」
もう私いらないじゃん。リストキー副所長の戦闘見ておきたいんだけど――。一気にそう思えた。
「コイツ! 武氣を全く感じないのにどうなっていやがる!」
「さっきリストキーって言っていなかったか!? オリュンポス十二武の抹殺官じゃないのか!?」
「リストキー!? 馬鹿な! 奴は死んだ筈だぞ!?」
「じゃああの化け物みたいな耐久力はどう説明するんだよ!? 武氣を全く感じないのに武氣で全部弾が通らないんだぞ!?」
と、もう敵勢力はリストキー副所長の化け物みたいな耐久力に大慌て。お兄さんが抹殺官だったもんね。強いに決まっているけど、あの強さは別次元ね。それに一瞬の隙しかない筈なのに、敵は全員急所を外しているもの。これがベンチャー民間軍事事務所の副所長。ガレス・リストキー副所長の底力――。
「私も負けていられない」
そう思うと私は敵にセレネを構えた。
「そっちばかり見ていていいの?」
私がそう声をかけると、私がいる右側の通路の敵勢力が私の方を向いてきた。
「階段を制圧しろ!」
一人の男がそう言うと、私の一番近くにいた最前線の男が、保安局の人間を盾にしながら詰め寄ってきた。
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