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「返せぇええええええええ!」
超音波を振り払うように私は叫んだ。
そしたらそれは意味があったのか、頭の痛みが和らいだ。
歯を食いしばって走る。
血の味がする。
また叫んだ。
声にならない。
まるでウシガエルのような鳴き声だ。
足を動かす。
感覚がしない。
だが私は諦めない。
腕が二倍になれば届く距離。
あと少し。
何故あっちは疲れないのか。
腹が立つ。
いっそ殺せてしまえば。
ああそうだ、殺そう
だが殺傷能力の高い魔法は残っていない
待て
いや
ある
投げナイフが
私は投げた
走りながら投げたナイフが飛ぶ
相手の足を狙ったはずが何故か上に向かって飛ぶ
相手の後頭部に当たる
私は悲鳴を上げる
だって相手の後頭部には白いふくろが
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