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『はーい先生、質問です』
その時、少年の斜め後ろから声がした。教室の隅に座り、担任と同じような眼鏡をかけたその生徒。周りの嗤いに加わっていなかった彼は担任に問う。
『じゃあ先生って、真剣に仕事してるんですかー?』
『……は?』
『真剣なら笑ってるこいつらを叱るべきですよね? 人が夢について書いた作文を笑う奴らって最低最悪のクソ野郎だと思いますけど』
教室中の顔が引きつる。
『こ、こら! 口が悪いですよ!』
『そうやって大多数に合わせておけば余計な労力使いませんもんね。いやあ、楽な職業だ』
『なっ!?』
担任が身を震わせる。
『どれだけ大変かも知らないで……じゃあ、そういう君の夢は何なのだね! 聞かせてもらおうじゃないか!』
『すみません面倒くさかったのでやってません』
『貴様ぁ!!』
チョークが生徒の前に飛んでくる。彼はそれをいとも容易く避ける。そうこうしているうちにチャイムが鳴り、凍り付いた空気の中授業は終わりを告げた。たった一人を除いては。
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