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車の中で苦い過去を思い出していたエリックは…2本目のタバコに火を付けてフゥー…と息を吐いて何処か物憂げな表情を浮かべていた。そんな彼のただならぬ様子を察知したマイケルは思わず声をかける。
マイケル「どうした?エリック?」
エリック「ん?何でもないんだマイケル。ちょっと昔の事を思い出してな」そう言うとエリックは車の速度を上げてマイケルにこう切り出す。
エリック「そう言えばマイケル。覚えてるか?」
マイケル「ん?何をだ?」
エリック「あの日の晩…ベットの中でお前と交わした約束さ。」
マイケル「もちろんだとも。忘れる筈はない」その時だったナッシュが割って入り声をかける。
ナッシュ「そこの路地を曲がった先に我が社が所有する…ビルがある。」
エリック「了解した。そこに車を止めれば良いんだな?」
ナッシュ「あぁ。」数分後…車はとあるビルの目の前に止まり…ナッシュだけが車から降りてビルの中へ向かい始める。
その後ろ姿をぼぉーーっと眺めながら…マイケルは呟く。
マイケル「なぁ?エリック?俺たちは牧師の助けになれるだろうか?」
エリック「なれるさ!!?マイケル」
エリック「その為にはスコットを倒さなければならない」
エリック「俺も彼の演説を間近で聞いたことはあるが…あれは演説と呼べるものじゃなかった」
エリック「単なる「ヘイトスピーチだ!!!?」
ドンッ♪♪♪♪♪♪♪♪
エリック「最も許せなかったのはあの野郎がお前の事を否定していたからだ!!!?」
エリック「俺のことは何を言われても良かった」
エリック「嫁と子供を捨てた最低な男だと罵られようが…裏切り者だと罵倒されようが…」
エリック「だが…あいつは事もあろうにキング牧師とマイケル!!?お前の存在を否定したんだ!!?」
エリック「牧師が居たから今日までやってこれた」
エリック「誰にも理解されない暗闇の中にいた俺を救った一筋の光」
エリック「彼という希望が見えたから前に進めたんだ」
エリック「男同士だから婚姻できないなんて奴らの嘘だ!!?」
エリック「本当は出来るのに…マイケルが黒人だから奴らは差別してるんだ!!?」
エリック「黒人の法における差別さえ無くなれば俺たちだって…俺たちだって…!!?」
エリック「うっくくっうっ…」
マイケル「もういいエリック…わかってる」そう言うと…マイケルはエリックを肩に抱き寄せて頭を撫でる。
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