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「清海! いつまで起きてるの」
ノックもなしに部屋のドアが開かれ、怒れる母が腰に手を当てて立っている。
「なんだもう、お母さん。ノックくらいしてよ。びっくりするじゃん」
「ノックなんかしたらタブレットを隠しちゃうじゃないの。そのタブレットはゲームをするためのものじゃないのよ」
「……はぁい」
それを言われてしまうと清海も強く言い返せなくなってしまう。学校から支給されているタブレットだ。これでゲームばかりやっていると学校に告げ口でもされようものなら規制がかかってできなくなってしまう。
「さ、早く電源を切って寝なさい」
スタートボタンを押し損ねた画面は、オイカケババアの不気味な顔が表示されたままだ。仕方なくセーブをかけて画面を閉じ、電源を落とす。まあ、いいや。明日、早く学校へ行ってみんなにオイカケババアを見せよう。清海はそう決めて、タブレットをランドセルへと仕舞った。
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