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「うわあ、なにその不気味なおばあさん」
「こんなキャラ、見たことねえな」
「え、なになに。レアキャラ?」
教室につき、早速タブレットを取り出し例の画面を由真に見せると、話を聞き付けてほかの生徒も清海の机の周りに集まってきた。各レベルごとに出現するキャラクターは決まっているので、突如として出現したレアキャラに男の子たちは悔しそうだ。
「おれなんかレベル20なのに、レアキャラなんか出てきたことないぜ」
本郷拓斗が悔しそうに口を歪ませる。
「佐藤、どうやったんだ?」
「どうって、別に。いつも通り起動しただけだよ」
「何時頃だった?」
「ええと……夜の十時くらいだったと思う」
どうして清海だけレアキャラが出現したのかと問われても、そんなこと清海にだってわからない。いつも通り寝る前にゲームをやろうとタブレットを起動しただけだ。自慢できると思っていたが、意外にもやっかみにも似た言葉や視線を投げかけられ、清海はなんとなく居心地が悪い。まるで、自分だけズルをしたみたいに。
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