オイカケババア

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「きっと、みんなも出てくるよ」  そんな慰めにもならない言葉を言って、そっとタブレットの電源を落とす。オイカケババアめ。責めても仕方のないゲームのキャラクターを心の中で責める。 「はい。みなさん、席についてください」  担任教師がやってきて、蜘蛛の子を散らすように、みな自分の席へと戻っていく。一時間目は清海の大嫌いな算数だ。それでも今は、授業の開始にほっとしていた。
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