九尾の狐

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琥珀は自分の長い髪を1本抜き取り黒い箱に通し 俺の首に掛けた 「嘘!ノコギリでも傷もつかなかったのに.....」 「この箱が案内する方に進むが良い」 「危険はないのか?」 「その箱が守るであろう!(ジン)だ」 「仁ってこの箱か?中に狐が入ってるのか?」 「そうだ、我が持つ力を与えてた」 「大王の琥珀の力が 、仁に?」 「仁は我が息子だ、囚われた弟妹の兄だ 姿を変え、何年もお前を探していたのだ 信じられる人間をな」 「仁は話せるのか?何故黒い箱なんだ」 「黒い箱は特殊な術で、人間の本心を見るのだ 箱の時は何も言えぬが お前は仁に、仁はお前と心得よ」 「えっ!つまり俺は狐なのか?人間が仁か? 分からないんだけど」 「行けば分かる、祭りが終わる前に戻るのだ」 「ええっ!たった2日で?それに浴衣で? 無理だそんな大事な事、出来る訳がない」 「我らの服を与えよう、危険な時に守るものだ そして仁が守る、仁よ行け!」 「ええ〜チョット待て〜うわぁぁぁぁ」 突然、暗黒の闇を通り抜けたかと思うと 何処かの、岩山に着いた 服が変わっていた、まるでゲームの戦士の服だ 「いきなりはやめてくれ!ハァ〜びっくりした カッケェ〜、俺ヒーローみたいじゃん 仁、この岩山を登るのか? 俺はインドア派だから山登りは無理だ」 俺の体が何故か軽い もの凄いスピードで、荒々しい岩山を駆け 上がって行く 「嘘!俺って凄いかも」 汗ひとつかかず、中腹に有る洞穴に入って行く 真っ暗な奥も見えない筈が、何故か見える 仁が見てるのを俺が感じているのだ 「そう言う事か! 俺は仁、仁は俺と言う事なんだ 一体化してるから、あの岩山も簡単に 登れたんだ あの雫とか言ってた女は、仁に話していたのか」
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