九尾の狐

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仁は牢屋の鍵を壊し、みんなを出した 今迄の事を母親に詳しく話した 「琥珀王が人間を信頼したと誠か仁? 人間が我々を助けに来たと申すのか?」 「はい、母上」 「この人間は信じられる人間です 名前は健太っと言います」 「ケッ弱っちい名前だなぁ」 「偉っそうに!チビのくせに 助けに来てこんな言い方されるなんて最低な チ〜ビ」 「チビだとぉ? 俺は人間が信じられないからなフン!」 「烈やめろ! 父上が懇願して来てくれたんだぞ」 「おやめなさい烈!喧嘩してる場合じゃないわ ありがとうございます人間」 チビ達は俺を珍しそうに、クンクン臭いを嗅いでいる 俺は阿闍梨の花を見せた 「あっ!その花は父上が大切に育てた 阿闍梨の花だ!」 「仁、この花の汁を飲ませるんだな」 阿闍梨の花の汁が溢れ出し、キラキラと 光り出した 俺はみんなに阿闍梨の汁を飲ませた 俺しか花は触れる事が出来ない 狐が持つと枯れてしまうからだ 「さあ、みんなこの汁を飲んで、逃げるんだ」 「ありがとう いい人間」 呪いは九尾狐の力を、使えなくされるものだった みんなは次々と溢れる汁を飲んだ 「わぁ〜流石父上の阿闍梨の花だな 力がみなぎって来たぞ、兄上ありがとう」 「烈 礼を言うなら健太に言うんだ 健太が居たから此処迄来れたし、結界も通る事が出来たんだ 結界は帰る時に破るんだ」 「そうだったの、すまぬ健太とやら お陰で助かったわ ありがとう」 「仁の力があったからここまで来れたんです 時間が無い早く出よう」 「健太ありがとう、威嚇してごめんな すっかり元の力が戻ったよ」 「本当だぁいい人間ありがとうでちゅ」 「いいんだ良かったね、おチビちゃん」 「チビちゃんじゃない!凛だもん」 「凛ちゃんか可愛いね、さあ帰ろう」 「うん人間」
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