九尾の狐

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琥珀は荒い息をし、グッタリと倒れ込んだ みんなは急いで駆け寄った 「琥珀王お気を確かに!」 「父上!」 「大丈夫だ仁、ハア〜ハア〜」 琥珀は持てる全ての術を使い、疲れ切っていた 体は人間の姿に戻った 仁に抱えられ、みんなで黒い穴に吸い込まれ 祭りのあの大きな石の上に寝かされた 「琥珀、水だ大丈夫か?」 「人間よありがとう、よくやってくれた お陰で帰る事が出来たわ 琥珀王はもう大丈夫ですよ」 「いい人間、健太本当にありがとう」 「人間頑張ったでちゅ、ありがとう」 「やはり健太を選んで良かった 本当ありがとうございました」 「あいつ何処に行ったんだ?死なないんだろ?」 「人間よ、朱羅は無の世界に送り込んだのだ 雑魚達は居るが、今日のような事は人間世界では一気に起きないだろう 無の世界で毒を吐き出しても、誰も被害は 受けぬであろう」 「無の世界なんてあるんだ 人間世界で何か起きたのか?」 何気なく周りを見て驚いた 眠っていた筈の、狐柄の浴衣を着ていた人間は 狐達だった 狐火がそこかしこで揺らめいていた 「そうか、仁の黒い箱を持っていたから 俺は人間として見ていたのか 今は普通の人間だから 狐火が見えてるんだな」 「人間よ、もうすぐ夜が明ける ここは人間は来てはならぬ所だ みんなが騒がない間に戻るが良い 本当感謝する」 「俺 帰れるのか?良かった」 「健太本当ありがとうございました 元の場所に戻します ただ、その時にはここで起きた全ては 健太の記憶から消えてしまいますが 我々は健太を忘れません」 「みんなの事を忘れてしまうのか? 仕方ないか 残念だけど.....みんなお元気で」 「人間さよならでちゅ」 凛が俺に飛びつき倒れてしまった ペロペロと顔をなめて別れを告げた 「アハハやめろ分かった コラ烈もういいって いい子だアハハ」 俺は凛と烈を抱きしめた 「じゃあな、おチビ達元気でな」 俺は黒い穴に引き込まれた 気づくと自分のベッドで寝ていた 何の記憶も無く...... 「ふぁ〜よく寝たぁ おはよう母さん婆ちゃん」 「健太良く寝れたもんだわねぇ 流石私の孫だわ」 「何かあったのか?」 「スッゴイ地震で起こしに行ったのよ! 鍵は掛かってるし、ドアを叩いても返事も無くて 寝てるなんて、どんだけ心配したか この馬鹿息子!」 「へっ地震?」
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