九尾の狐

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とにかくあの家に戻ると決めた 「明かりがついてるんだ誰か居る筈だ 携帯のライトで木にX印をつけているのを 確かめつつ元に戻ろうとしたその時何かに つまずいた 「痛ぇっ!」 よく見ると墓石がゴロゴロ散らばり 割れた墓石が何期も有る 「来た時に見落としていたのか? ここはお墓だったのか!」 俺は思わず手を合わせ拝んだ 気づかず踏んだかも知れない 森を出ようとした時、物音が聞こえた 「誰かがいませんか? すみませ〜ん、誰か居るんですか?」 すると、しわがれた声で叫んでいた 「何しに来た帰れ!」 「ここは何処かも分からず、困ってるんです」 「ん?人間か!」 「駅で寝てた筈がここに.....帰りたいんです」 「駅だと!そんな物はここには無い」 「どうすれば帰れるんですか?」 声の主は暫く考えている様だった 「これの箱を授ける、決して誰にもここの事を 話すな 誰かに話した時、お前の大事なものを 失うだろう」 「死ぬと言う事か!これは何だ? お前は誰だ?」 黒い小さな物が足元に転がって来た それを手に取った、これは箱なのか 継ぎ目も無く、軽く、四角い3センチ位の大きさで キューブの様な形をしている ただの小さな黒い箱だった 振ってみたが音はしない 「これをどうしろと言うんだ!」 「肌身離さず、持っておれば分かる 愛する者の命を失いたくなければな」 「どう言う事だ!お前は誰なんだ!」 「今直ぐ立ち去れ!」 急にめまいがし、漆黒の闇の大きな穴に体が 吸い込まれ気を失った.....
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