九尾の狐

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気づいた時は駅のベンチで横たわっていた 何事も無かったかの様に人が行き来していた 1人の会社員らしい男が、苛立ち文句を言う 「何でこんな所で寝てるんだ!みんな仕事で 忙しいんだぞ!」 「えっ!ここは?」 「寝ぼけてるのか! 船橋駅に決まってるだろうが馬鹿野郎 最近の若い者は全く!」 男性はムッとした顔で去って行った 「俺がいつも乗っている駅だ 夢を見ていたのか?」 しかし手に、黒い小さな箱を持っていた 「こ、これは!」 「よっ、おはよう西条どうしたんだ? 二日酔いか?」 「あ、おはよう佐藤まあな」 訳も分からず、とにかく会社に行った 当然仕事に身が入らないが何とか 帰る時間になり急いで家に帰った 「おかえりなさい健太どうしたのよ 連絡もしないで」 「あ、ごめん母さん携帯の電源切れで」 「何処で泊まったの?」 「呑みすぎて佐藤の家に泊まった」 「迷惑かけたんじゃないの?」 「あいつは一人暮らしだから..... 母さん風呂入るわ」 「着替え置いておくわ、健太汗臭いわよ 佐藤さん所で、お風呂に入ら無かったの?」 「酔って寝ちゃったんだ」 「馬鹿ねぇ」 「健太おかえり、何だか疲れた顔して 大丈夫かい?」 「婆ちゃんただいま、平気平気」 「清子さん、健太に栄養の有るおかず作ってやらないと」 「そうですね、お義母さん」 俺は風呂に入り、あの出来事を思い出していた 「ふぅ生き返った〜あれはなんだったんだろう 確かに見た事も無い家や森 そしてあの声、何者なんだ?」
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