九尾の狐

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一祭り1日目一 住民達は、平らで大きな岩を囲み供物を供えた 人間が食べる物と変わらない 「狐はうす揚げが好物じゃないのか?」 酒を酌み交わし呑み、持ち込んだ食べ物を食べ 踊り、歌いみんな楽しそうにしていた 流石に真夜中を過ぎると、酒に酔い眠り始める 住民が増えて来た 子供達や年寄りも夢の中だ 気づくと、雫も眠っていた 起きていたのは俺だけになっていた 「酒を呑まなかったからだろう 寝てしまったらどうなるんだろう?」 辺りは月明かりだけだ 「ふぅ何て静かだろう、いい空気だなぁ みんな、こんな地ベタでよく寝れるな」 その時あの声がし姿を現した 髪は背中迄長く白い、神々しい光に包まれ 若い青年の人間の姿をしていた イケメンだし、声も優しい声に変わった 「ヒッ!誰だ!!」 「人間よ恐れるには及ばぬ、何故戻った」 「箱が紅くなって血の様な物がクオと 文字が書いてあって持ち上げると 此処に戻されたんだ」 「なんと九尾だと!それが書いたと言うのか」 「そうだ、この箱だ! 来たくて来た訳じゃない!」 「お前の名は?」 「西条健太だ 何故、俺がこんな目に合わなきゃならないんだ お前に何かしたとでも言うのか 一体お前は誰なんだ!クオって名前なのか!」 「我が名は琥珀だ 白面金毛九尾(はくめんきんもうきゅうお)の 狐 だ」 「....キツネ!?長い名前だが、琥珀が名前なのか 俺に何がしたいんだ殺すのか!」 「その箱がここを教えたと言う事は お前は選ばれし我が下僕だ」 「下僕だと!冗談はやめろ そんな者になるか!」 「その箱は嘘をつかないのだ この阿闍梨(アジャリ)の花を持って行って 貰いたい」 「阿闍梨の花?なんで光ってるんだ? 美しい見た事も無い花だが何で俺なんだ! 自分で持って行け!」 「それを使えば、お前は解放される」 「解放?お前が箱を投げて来たんじゃないか!」
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