さよならをレターに告げて

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校庭にある緑葉の木が涼しく爽やかな風で緑系のに鮮やか染まった葉っぱがサワサワと心地よい音をたてて、ささやかに揺らいでいたある日の放課後。私・核煉瓦彩沙希(かくれがらさき)は忘れ物を取りに自分の教室に足を踏み入れる。 そこにいたのは私がこの学校に入学してきてから二年半、恋をしている・磯ヶ谷仲丸(なかま)と名前を知らない少女がいた。 私は予想外のことに息をのむ。 まさか……。 「僕と付き合ってください!」 その途端、まるで学園ドラマの1シーンの様に、その場は静寂に包まれ、あまりの出来事に私は声を潜め、息を殺す。 確か、名前は仲丸(なかま)は男子からも女子からも人気者だし、地味で陰キャの私とは天秤のように比べてみても正反対だ。そんな仲丸はいつ誰から告白されてもおかしくはない。 だけどまさか、その告白の現場を目の当たりにしてしまうなんて思いもしなかった。 「ありがとう。よろしくな、葵」 仲丸のその声を聞いた途端、私の心の中は絶望の渦に呑み込まれた。私はその場にいるのが辛くなり、やけくそに廊下を走って階段を降り、帰路を走った。
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