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次の日。
けたたましくなる目覚まし時計で目を覚まし、重たい体ゆっくりと起こす。
カーテンからは朝日の眩しい日差しが差し込んでいて、その光を見るのはいつも心地よいはずなのに、今日は悲しいような寂しいような複雑な感情になる。
原因はきっとあの現場を目の当たりにしてしまったからだろう。そのせいか、体全体がいつもより重く感じるし、学校に行くのも気が重い。そしてさっきからずっと頭痛がする。
今日は学校、行きたくないな……。
「彩沙希、ご飯よー」
一階から母が私を呼ぶ声がする。
私は重たい足をひきずるようにして部屋を出て階段を降りた。
そしてリビングに行き、いつもの挨拶をする気にもならず、私は朝食を食べ始めた。
ところがだ。どうしたものか、ご飯がいつもより喉を通らず、思い通りにいかない。
きっと泣き崩れた疲れとか初恋に裏切られた辛さが体調にも影響を及ばしてしまったんだだろう。
私は一つ、ため息をつく。
「あれ?彩沙希、おはよう。いつの間に来てたのね。どうしたの?挨拶もせずに」
母はきょとんとした顔で聞いてくる。
「おはよう」
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