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「すっきりしてていいですね。これはきっと人気商品になりますよ」 「そうだといいけど。場合によっては、七月限定じゃなくて、夏限定にしてもいいかもしれないね」  それはありかもしれない。  これまでは月替わりでおすすめ商品を用意していたけれど、そうしなきゃいけないルールなんてないのだから。  そんなことを考えながら、僕は残り少なくなったミルクティーの液面を眺める。  いつの間にか千鶴さんも自分の分を用意したようで、二人で落ち着いた時間を過ごすことになった。  さて、千鶴さんが用意してくれたミルクティーのおかげでようやく体感的な暑さが引っ込んできたから、ここらでこのお店について簡単に説明することにしよう。  ここまでの流れでは、僕と千鶴さんが自分たちの勤務地であるお店でくつろいでいることくらいしかわからないだろうから、僕たちがどういう人間で、このお店がどういうお店なのか、知っておいてもらいたことを順不同に列挙させてもらおう。  まず、このお店の名前は『探偵喫茶ふたりごと』といい、探偵事務所と喫茶店を融合させた場所である。  ふたりごと、という名前にそれほど深い意味はないが、従業員は僕と千鶴さんの二人だけだ。  アルバイトを雇おうかという話が浮上したこともあったが、その計画は今のところ本格始動する兆しはない。
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