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prologue
果てなく広がる蒼い空。
生い茂る緑の草原。
その継ぎ目にポツンと佇むのは、白いグランドピアノ。
━━ターン、ターン、ターン……。
聴こえてくる曲は、カノン。
奏でるのは、輝く指を持つ黒髪の青年。
「カノン!」
私は呼ぶ、曲の名を。
「おいで、カノン」
彼は呼ぶ、私の名を。
刹那、舞台は暗転。
白いグランドピアノもろとも青年は、暗闇の彼方へと消え失せた。
そんな、夢の跡の物語。
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